「TPTシャフトレビュー」
TPT全てのシャフトが届き試打をしてみました。シャフトを評価するにあたり、対象となるシャフトを選定してみようと思いましたが、思い当たるシャフトが無いと言う結論になりました。
なぜなら、芯(SPAIN)が無く「ほぼ同じ物が複数あると言うシャフト」は存在しないからです。
フィッター目線で考えた場合、振動数・固さ・キックポイントはメーカーの目安となるスペックが記載されていますが、実は測ってみると物によってはかなりの個体差があります。
フィッティングを行ったシャフトとほぼ同じ物を探すと言う事はかなり困難です。当スタジオにおいてもフィッティングをしたシャフトと「ほぼ同じスペック」のシャフトを探すのは非常に手間がかかる作業です。また、SPAINを探すためにシャフトを回しながら一番いいところを探してみて綺麗に揺れる物、回って揺れる物これも個体差です。SST PUREの様にシャフトのアライメントを矯正するような機械も出ており、シャフトのばらつきを直す動きは活発です。
世の中には素晴らしシャフトが多数存在し、素晴らしい職人さんや熟練の達人と言われている方たちが日々進化をして研究・開発を行っています。
手作業で行っていることが多いので当然同じ物は二つと作ることはできないのですが、これもまた個性がありシャフトを選ぶ楽しみでもあります。一方TPTシャフトはこれまでのシャフトの概念を覆すシャフトで機械を使って精密に作成するという工業製品に近い製造方法Thin Ply Technologyと言う技術を使用してます。
これにより個体差が無く、ほぼほぼ同じ物を作成できると言う事が売りの一つです。もともとF1のボディ・ヨット製品等を製造をしていた同社はゴルフのシャフトプロジェクトを開始し、今後もシャフトの開発・製造に力を入れていくと言う事です。
現在はドライバーだけですが、今後は他のクラブのシャフトも追加し、領域を広げていくとお話しておりました。
「試打会レポート」2018年3月23日
TPTのセバスチャンを迎えPGSTでプロ数名と興味があるゴルファー達に試打をして頂きました。
第一の感想としては「なにこれ」「もう一回」「え?」と言う無邪気になる大人の姿を見ることができました。
「素直」「癖が無い」「打たされている感が無い」等「普通に良いシャフト」と言うような意見が多かったです。
無理をして重い・固いものを付けたくなる感じがしない。と言うのが正しい表現でしょうか?
とても「標準的なシャフト」と言う言葉に尽きないフィット感があります。
重さや調子の違いがちゃんと分かりやすいのも特徴的でした。
「フィッターさんに是非使って頂きたいシャフト」
フィッティングする際にまずはTPTのシャフトで打ってもらい、このゴルファーはどのようなセッティングで結果が出るかの目安にもなるシャフトだと思います。そのままTPTをすすめるのもありですし、フィッターこだわりの世界観を提供するのも大変良いと思います。
目安になる見える化をすることによってフィッティングを見える化し、さらに説得力のあるフィッティングが成功するのではないかと考えています。
PGSTでのフィッティングをする限りでは、フィッターの作業を効率化する素晴らしいシャフトと言っても過言ではないでしょう。
「TPTの特徴」
現在15から19のシリーズに分かれており、それぞれ中調子・先調子の2つの種類があります。また、共通のスリーブを使用することにより、お持ちのヘッドでフィッティングができるとても便利な仕組みになってます。
一般的にはシャフトの先端はカーボンシートが20巻ぐらいですが、TPTは極薄のカーボンシートが60巻してあり、強度がある分しっかりとした手応えを感じます。